
2026年8月16日に確認したところ、表示されている日本語講師は4,974人。
5000人が、もう目前です。
オンラインで日本語を教えたい人が、それだけ増えているということでもあります。
一方で、ストアカの講座を受講してくださった方や同業の先生方から、最近よくこんな話を聞きます。
「Preplyに登録したけれど、トライアルがほとんど来ません」
特に新しく参入した先生の場合、レッスン価格をかなり低く設定しても、なかなかトライアルにつながらないという話も聞きます。
なぜトライアルが来ないのか
理由はいろいろあると思いますが、その一つは単純に需要と供給のバランスではないでしょうか。
日本語を学びたい人に対して、日本語を教えたい講師が非常に多くなっています。
Preplyは、オンライン日本語講師として比較的新規参入しやすいプラットフォームだと私は感じています。
もちろん、申請時の記入内容やプロフィール写真、紹介動画などに問題があれば承認されないこともあります。ただ、修正して再申請することで承認されるケースもあります。
参入しやすいからこそ講師も増え、現在は約5000人もの日本語講師の中から、学習者に自分を見つけてもらわなければならない状況になっています。
Preplyとitalkiでは仕組みも違う
Preplyにはもう一つ特徴があります。
サブスクリプション制です。
学習者にとっても、「とりあえず1回だけ受けてみよう」というより、ある程度継続して勉強することを考えて先生を選ぶことになります。
それに比べて、italkiは単発でレッスンを購入することができ、学習者が自分のスケジュールに合わせて比較的自由にレッスンを組むことができます。
一方で、italkiは日本語講師を常時募集しているわけではありません。最近は新しく講師になるためのハードルもかなり高くなっている印象があります。
同じオンライン日本語レッスンのプラットフォームでも、仕組みも参入のしやすさもかなり違います。
約5000人の中から、どうやって見つけてもらうのか
では、この状況でどうすればオンライン日本語講師として生き残っていけるのでしょうか。
どうすれば安定した収入につなげていけるのでしょうか。
このテーマについては、このブログでも何度か書いてきました。
そして、私がとても大切だと思っていることの一つが、
「他の講師との差別化」
です。
「楽しいレッスンをします」
「一緒に楽しく日本語を勉強しましょう」
もちろん、楽しいレッスンをすることは大切です。
でも、約5000人の日本語講師が並んでいる中で、それだけでは埋もれてしまいます。
まず、検索結果の中から見つけてもらう。
そして、プロフィールをクリックしてもらう。
そのためには、
「この先生は他の先生と何が違うのか」
が伝わる必要があります。
自分の「棚卸し」をしてみる
これは日本語教師を始めたい方からご相談を受けたときにも、よくお話ししていることです。
- これまでどんな仕事をしてきたのか
- 何を勉強してきたのか
- どんな資格や経験があるのか
- どんな人を教えることが得意なのか
- 自分だからできることは何なのか
一度、自分自身の「棚卸し」をしてみるといいと思います。
一見ニッチに見える分野でも、それを必要としている学習者は必ずいます。
私の場合、その一つが子どもの日本語レッスンでした。
私の強みの一つは「子どもを教えること」
私は日本語教師になる前に、8年間、子どもたちに英語を教えていました。
小学英語講師、保育英検、児童英語インストラクターなどの資格を取得し、子どもへの接し方や児童心理についても勉強してきました。文部科学省関連の講座も受講しています。
その経験は、現在、子どもたちに日本語を教えるうえでも非常に役立っています。
これまで、アメリカ、フランス、シンガポール、香港、オーストラリア、ロシアなど、さまざまな国に住む子どもたちに日本語を教えてきました。
「子どもに日本語を教える需要って、そんなにあるんですか?」
と聞かれることがあります。
実は、あります。
ただし、子どもの日本語レッスンには、大人のレッスンとは違った難しさがあります。
海外の子どもに使える日本語教材が少ない
日本国内で暮らしている外国にルーツのある子どもたちのための日本語教材は、いろいろあります。
日本人の子どもがひらがなを覚えるための教材もたくさんあります。
ところが、
海外で、外国語として日本語を勉強している子ども
となると、事情が少し違います。
これは実際にたくさんの子どもたちを教えてきて、気づいたことです。
「あひるの『あ』」が通じない
たとえば、日本人の子どもに「あ」を教えるなら、
あひるの「あ」
で問題ありません。
でも、日本語を始めたばかりの海外の子どもにとっては、そもそも「あひる」が知らない日本語です。
「あ」を一文字覚えるために、まず「あひる」という新しい単語を説明しなければならなくなります。
同じように、日本の子ども向けの「あいうえお教材」を見ていると、
- ちりとり
- へんそう
- へいわ
など、その場ですぐに理解することが難しい言葉が出てくることがあります。
さらに、子ども向けの教科書には、
- うわばき
- 給食袋
など、日本の学校生活に密着した語彙も登場します。
日本の学校に通っている子どもなら、もちろん必要な言葉です。
でも、海外に住み、身の回りに「うわばき」も「給食袋」もない子どもにとっては、まずその物が何なのかを説明するところから始めなければなりません。
日本文化を教えることと、ひらがなを教えることは別
もちろん、日本文化として知ってほしい言葉はたくさんあります。
「うわばき」を通して日本の学校文化を紹介することにも意味があります。
ただ、ひらがなを初めて覚える段階で、その語彙を使う必要があるのかというのは別の問題だと思っています。
日本に住んでいる子どもに必要な日本語と、海外で外国語として日本語を学んでいる子どもに必要な日本語は、必ずしも同じではありません。
ひらがなの「ち」を覚えてほしいだけなのに、「ちりとりとは何か」の説明に時間を使っている。
文字を一つ覚えるために、別の知らない日本語まで覚えなければならない。
そこで私は、ひらがなの導入では、できるだけ
- 絵を見れば意味がわかるもの
- 子どもの身近にあるもの
- 説明しなくてもイメージしやすいもの
を使いたいと考えるようになりました。
ないのなら、自分で作ってみよう
そこで、自分のレッスンで使うためのひらがな教材を作り始めました。
教材のベースになっているのは、机の上で考えた「子どもにはこれがいいだろう」という想像ではありません。
実際に海外の子どもたちとたくさんレッスンをして、うまくいったこと、うまくいかなかったこと、子どもたちが反応したこと。
そうした経験を少しずつ教材に反映しています。
オンラインだからこそ「見てわかる」教材に
オンラインでひらがなの書き順を教えるのも、意外に難しいものです。
講師がカメラに向かって書いて見せると、見せ方によっては左右が反対になってしまうこともあります。
でも、書き順をアニメーションで画面共有すれば、その問題はありません。
「とめ」「はね」「はらい」も、言葉で長く説明するより、実際の動きを見てもらった方がずっとわかりやすい。
子どもにとっても、先生の説明を聞き続けるより、「見てわかる」方が簡単です。
ひらがなから、ことば、そして文へ
教材では、ひらがな一文字を覚えるだけで終わらないようにしています。
文字を見て、絵を見て、ことばを覚える。
そして、少しずつ短い文につなげます。
助詞も入れた単文にしています。自然に助詞を含めてチャンクで 練習します。
にんじんが にじを かいた。
というように、覚えた文字やことばが文の中に出てきます。

そして子どもたちを教えていると、普通の文よりも、ちょっと不思議だったり、「えっ?」と思ったり、笑ってしまったりする場面の方がよく覚えてくれます。
だから、私の教材はインパクト重視です。

実際のレッスンでも、子どもたちはこうした短い文をチャンクとしてどんどん覚えていきます。
そして、次のストーリーを楽しみにしてくれます。
レッスンで会ったキャラクターに、宿題でも会える
もう一つ大切にしたのが、レッスンと宿題をつなげることです。
レッスンで一緒に見たキャラクターが、宿題用のワークシートにも登場します。
「これ、今日先生とやった!」
と思い出してもらうためです。
自分一人でひらがなを練習できるアプリは、すでにたくさんあります。
でも、オンラインレッスンで講師と一緒に使い、その後の練習までつなげられるものは、意外に少ないと感じていました。
だから、自分で作ることにしました。

実際に使ってきた教材を販売することにしました
これまで自分のレッスンで使いながら作ってきた教材を、今回、他の日本語の先生にも使っていただける形にして、BASEで販売することにしました。
子どもの日本語レッスンをすでにされている先生。
これから子どもにも教えてみようと思っている先生。
教材選びやレッスンの進め方に困っている先生。
そんな方の一助になればと思っています。
もちろん、これで完成ではありません。
実際に子どもたちとレッスンをしながら、
- ここはもっとわかりやすくできる
- この言葉は海外の子には難しい
- こんなストーリーにしたら覚えてくれた
そんな発見を、これからも教材に反映していきたいと思っています。
このシリーズも少しずつ追加していく予定です。
価格ではなく「自分だからできること」を
オンライン日本語講師が約5000人になろうとしている今、価格だけで競争するのではなく、
「自分だからできるレッスンは何だろう」
と考えることは、ますます大切になっていると思います。
私の場合、その答えの一つが「子どもの日本語レッスン」でした。
そして、長く子どもたちを教える中で感じてきた小さな「困った」を、一つずつ形にしたものが今回の教材です。
子どもたちにとっても、教える先生にとっても、
「ひらがなの時間、楽しいね」
と思える教材になればうれしいです。
子ども向け日本語教材はこちら

実際のレッスン用教材(販売版にはSAMPLEの透かし文字は入りません)



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