これまで、このブログを通じてPreplyやオンライン日本語講師について情報を発信してきました。
私自身も、ストアカで「スキマ時間にオンライン日本語講師入門編」という講座を開いています。
ストアカの時間制相談やこのブログにいろいろなご相談をいただいています。
• 「日本語講師になるにはどうすればいいですか?」
• 「自分にできるか不安です。」
• 「始めたけれど、思うように生徒が集まりません。」
これらのご相談には個別に対応してきました。
ただ、いろいろなご相談を受けていると、模擬レッスンを練習したい、Preplyへの登録を手伝ってほしいなど、自分のオンラインレッスンの合間ではなかなか対応が難しくなっていました。
そこで、去年11月の終わりに ストアカの講座を開講しました。
時間制の相談も立ち上げました。
時間制相談では 現在すでに日本語講師の方、また今から日本語講師になりたい方などからのご相談を受けつけています。
そこで、最近特に気になったのは、資格や経験が不十分な「コンサルタント」に高額な料金を支払ったという ご相談でした。
実際の相談事例:高額コンサルの実態
その方は、Instagram経由でLINEに誘導され、「日本語講師になるためのコンサルタント」と契約したそうです。
その契約金額は30万円以上。
金額にも驚きましたが、内容を聞いてさらに驚愕しました。
1. 提供されたサポート内容
• Preplyへの登録支援 • 模擬レッスン指導は 2回
(しかも主催者本人ではなく、弟子?による指導)
• レッスン料金を5ドル(約780円)に設定する指示
2. コンサルからの指示と実際の収益
•まずは、5ドルでレッスン数を稼ぐ。 すぐにレビューを学習者に要請し、レビュー数を増やす。
・つぎに、その学習者にレッスン料の値上げを要請する。
・デビューから、このサイクルを繰り返し、400レッスンを目指す。
(Preplyでは400レッスンに到達後、手数料は18%になる)
5ドルからPreplyの手数料33%(初期段階)が引かれるため、手取りは約522円。
さらに、Preplyは トライアルは手数料100%で無料となる。
3ヶ月ほど過酷な状態が続くが 乗り切るように指示される。
乗り切らなければ、稼げるようにはならないとアドバイスされる。
3. 労働環境
• 平日は会社員として働きながら、早朝や深夜にレッスン枠を開けるよう要求され、睡眠時間が削りながらレッスンをしている。
• 精神的・肉体的に疲弊しながらも、コンサル料を分割で支払い続けている状況
コンサル料が高額のため、まだ払い終えていない、また収入もそれをペイできていない状態
コンサルを受けたのは最初だけで、オンラインを始めてからはほとんどコンサルやコンタクトもない。
メールを送っても、返事もかえってこない。
コンサル料の送金方法を急に変更された。(Wiseへ)
「1ヶ月で80万円稼げる」と言われて契約しましたが、現実はほど遠いもので、今は、精神的にも肉体的にも最悪の状態です。」とおっしゃっていました。
ご自分を責めていらっしゃいました。
「こういう手法に引っかかった私が悪いんです。」と。
即、払込をやめて、消費者センターに訴えるべきと申し上げました。
契約書は一方的に送られてきたものだけ だったそうです。
本来、日本語講師として活動するためには、以下のような資格や経験が推奨されます。
1. 文化庁認定420時間以上の研修修了
または四年制大学で日本語教育を専攻
2. 日本語教育能力検定試験合格
これらを取得することで、日本語学校などでも信頼される講師として活動できます。
ただ、昨年度より国家資格としての日本語教員試験が導入されました。
これは認定告示校で日本語教師として働くために必要な資格です。
(私は420時間養成講座終了、検定合格)
ただし、オンラインで教える場合、この資格は必須ではありません。
このように、オンラインプラットフォームでは資格が必須ではないため、誰でも登録可能です。
それゆえに トラブルや不当な搾取も発生しやすい状況です。
最近、気軽なビジネスだからという理由で サロンを主催し、会費を集めたり、日本語教師としての研鑽を積んでいない人が 高額な金額のコンサルを持ちかけたりしています。
そもそも オンライン日本講師は 資格が必要なのか。
オンラインでは資格がなくても講師として活動することが可能です。
たとえば、Preplyが求める講師の条件は以下の3つだけです:
1.知識を共有したり、生徒に良い影響を与えられる人
2.卓越したコミュニケーションスキルを持っている人
3.世界中から集まる生徒に対して、それぞれにあった学習体験を提供したいと思っていること
そのため、誰でも気軽に講師を始められる一方で、不当な搾取やトラブルに巻き込まれるリスクもあります。
特に「短期間で高収入」「1ヶ月で80万円稼げる」などの甘い言葉で勧誘し、高額なコンサル費用を請求する手口には注意が必要です。
コンサルやサロンへ誘導している人たちに共通していることがあります。
それは、教材が「Genki」一択ということです。
高額コンサルに誘導する人たちの教材が Genki一択の理由
高額コンサルやオンラインサロンに誘導している人たちの多くが、教材として「Genki」一択に偏っているのには理由があります。
それは、文法や指導法に関する知識が不足しているためです。
「Genki」は、英語圏の学習者向けに作られた分かりやすい教材で、解説も英語で書かれているため、初心者にとって非常に使いやすい教材です。
そのため、教える側も深い知識や応用力を必要とせずに進めやすいのです。
一方で、「みんなの日本語」や「大地」などの教材は、文法の専門的な理解が必要です。
特に「みんなの日本語」は、日本語のみで書かれている本冊と、別売りの英語解説書を組み合わせて使用する構造になっており、講師自身が文法をきちんと理解し、説明する能力が求められます。
そのため、知識がない人には扱えないのです。
日本語講師が 日本語を教える際、「Genki」以外にもたくさんの選択肢があります。
資格を持った日本語講師なら、皆が知っていることです。
「みんなの日本語」「大地」「できる日本語」「まるごと」など、それぞれ異なる特色を持った教材があります。
教師は 生徒の目的やレベルに応じて柔軟に選ぶことが重要です。
高額コンサルや主催するサロンに誘導される前に
講師や指導者がどのような知識や経験を持っているのかを確認することが重要です。
特に以下のポイントを見極めましょう:
• 使用教材の幅広さと、それに基づいた指導力があるのか
• 文法や言語教育の専門知識の有無
• 実績やキャリア(セールストークに騙されていませんか)
教材選びの幅が狭いことや、指導力が不足している人に高額な料金を支払う必要はありません。
指導できない人が発信する内容は Youtubeで 十分 収集できる情報です。
お金を払う前に、自分に合った指導者を見極める目を養いましょう。
働き方は 自分で決めるべき! 持続可能な働き方をめざして
オンライン講師としての働き方は、長期的に持続可能であることが大切です。
無理なスケジュールや低価格設定では、モチベーションが保てません。
特に、5ドルの低価格での募集には注意が必要です。
この価格帯の生徒の中には、レッスンをすぐキャンセルしたり、学習意欲が低いケースも多いからです。
過去のブログにも書いています。
適正価格を設定し、無理のないスケジュールで働くことが、講師としてのモチベーションを維持するカギです。
スケジュールや価格が自分で自由に決めることができるからこその仕事です。
コンサルに指導されるべき事項ではありません。
私のストアカ講座について
私はストアカで、資格がなくてもオンライン日本語講師を目指せる入門講座を開講しています。
この講座は、本気で講師になりたい方のサポートを目的としており、適正な料金設定で提供しています。
ストアカで講座を開講するには、ストアカの厳しい審査があります。
支払いも全てストアカを通して行われます。
講師また受講者双方に 安心な仕組みが整っています。
講師デビューまでのステップをサポートし、安心して学べる環境を提供しています。
高額コンサルに惑わされることなく、自分に合った道を見つけてください。

まとめ
日本語講師という誇りとやりがいを大切に!
私は日本語講師という仕事に誇りを持っています。
だからこそ、同じような志を持ち、「日本語を教える」ということに本気で向き合いたいと思っている方に向けて、ストアカで講座を提供しています。
高額コンサルに騙されることなく、誠実な努力と正しい情報を基に日本語講師としての道を歩んでいきましょう。
決して たやすく高額稼げる仕事ではありません。
自分で働く時間をコントロールでき、自分のスタイルで、家で働くことができる。
だからこそ、育児や介護などで、外で働けないけれど、家でスキマ時間に働ける。
そこがメリットの仕事です。
資格が必須ではないオンライン日本語講師だからこそ、学習者さんとの信頼関係を築くためには、日々の研鑽と真摯な姿勢が欠かせません。
私の学習者さんは何年も続けてくださっており、それがこの仕事のやりがいであり、誇れる成果でもあります。
日本語講師は、やりがいがあり、学習者さんの成長をともに喜べる素晴らしい仕事です。
本当にやりたいと思う方は、一緒にスキルを磨き、自分らしいスタイルで毎日を楽しみましょう。
甘い言葉に惑わされることなく、地道にスキルと経験を積み上げることで、きっとあなたらしい教え方や働き方が見つかります。
日本語講師としての一歩を、一緒に踏み出してみませんか?
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